「まず、『内定』とは,将来のある時期(新卒大学生であれば翌年4月1日)から働くことを予定した『労働契約』が成立した状態と解されています。
ですから、内定を『取り消す』というのは、法律上は『労動契約』を一方的に解除する、すなわち『解雇』に該当し、簡単には認められないことなのです」
では、内定取り消しはどんな場合に認められるのか。
「最高裁の判例では、内定取り消しができるのは、『採用内定時に知ることができない事実が判明し、しかもそれにより採用内定を取り消すことが客観的に合理的と認められ社会通念上相当』である場合に限られる、と厳しく解釈されています」
履歴書に「まだ取得していない資格」を書いた場合、合理的な理由があったといえるのか。
「一般の解雇における『経歴詐称』については、その詐称内容が重大で、真実を知っていたら採用しなかったといえるかどうかが判断基準となります。
『専門的な業務に長年従事しており、実力がある』と申告して入社したのに、実際にはほとんど能力がなかったような場合に解雇を有効とした裁判例があります。
会社募集欄に条件をしっかり書いておくことが大切