商品を販売した後,代金を回収することで初めて営業サイクルが完結します。したがって,売掛金を確実に回収することは事業継続のための重要な行動といえます。
売掛金の年齢表で回収遅延が生じていないかどうかを確認することはもちろん,普段から契約書等の整備をしたり,得意先ごとに与信限度額を設定して回収不能によるリスクを限定したりすることなどが,売掛金を管理する上では重要となります。場合によっては得意先の財務状況をチェックして,支払能力に懸念がないかどうかを確認することも求められます。
入金遅延が発生した場合、事実の把握と債権回収のための努力が最優先。
まずは自社での処理の誤りや遅れがないかを十分に確認するとともに,回収遅延の原因を確かめるべきです。その上で,得意先の財務状況や取引履歴を確認し,回収の見込みがあるかどうかを検討したり,与信枠を超えないように関係部署に注意喚起をしたりすることが求められます。
その後に、貸倒引当金を計上すべきかを検討するなど、会計処理について。なぜ回収が遅れたのか,その会社の業績や財務状況は問題ないのか,などを総合的に判断して,貸倒れの対象とすべきか否かを検討する必要があります。
年齢表は,貸倒れリスクが高い得意先を機械的に抽出するためのツールとなりますが,回収遅延だけが貸倒懸念債権のトリガーになるわけではありません。たとえ回収遅延がなかったとしても,営業担当者や信用調査会社などからの情報を基に,貸倒れの懸念が生じるケースがあります。
年齢表(エイジングリスト)
年齢表とは,個々の債権(売掛金等)が,発生後どの程度経過しているかの情報を表にしたもので,債権管理の資料となる。通常,この年齢表を基に,個別債権の回収可能性(滞留状況)を検討して,貸倒引当金の計上等が検討される。