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経営日誌

役員報酬の額をどう決めるか

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役員報酬の額をどう決めるか

税法では役員報酬は原則経費にできない(損金不算入)
そのことを知らずに役員報酬を高額にして、会社の利益を下げ、法人税の支払いを少なくしようとしても、後になって、「その役員報酬は経費として認められないので、法人税はこれだけ上がります。」と慌ててしまうことになります。
税務上、会社の経費(損金)として認められるものは以下の6つ
定期同額給与:毎月一定の時期に定額で支払われる報酬
事前確定届出給与:事前に税務署に届出をして、その届出の内容通りに支給される報酬(賞与)
利益連動給与:大会社で認められている利益に応じて支払われる報酬(出来高のようなもの)
退職金:その名の通り
ストックオプション:現金の代わりに支給される自社株
使用人部分の給与のうち相当なもの:「2−4.使用人兼務役員」の項にて後述
2006年の税制改正以降、それまでの役員報酬や役員賞与は、まとめて「役員給与」と呼ばれる
当ページでは、簡単化のため「役員報酬」という言葉をそのまま使っています。
一般的な会社経営者は納税に関して以下のうちのどれかに分かれることでしょう。
1.会社ではなく、できるだけ個人に利益が残るようにしたい:
例えば、一人会社で、近いうちに個人名義で住宅や車を買いたいと考えているが、その時にローン審査があるので個人所得を確保しておきたいという場合など。個人所得が増えれば増えるほど、社会保険の負担料が大幅に増えるので、一般的にはおすすめしません。(詳しくは後述)
※住宅は会社名義で買い社宅として住むという方法もあります。
2.会社の税引後利益がなるべく残るようにしたい:
設備投資が必要で金融機関などからの融資を考えている場合は、会社の財務状況を良くするために、なるべく会社に利益が残るように役員報酬を設定したいという場合。
3.会社と個人の区別なく手元に残るキャッシュが最も多くなるような額にしたい:
経営が安定しており、そのままの成長ペースを保ちキャッシュフローを豊富に保っておきたい場合など。ただし、役員自身のお金を会社の運営に使う場合は、会社と役員の間での金銭貸借となります。その時は、一人会社であっても、会社は役員に利子とともにお金を返済する必要があります。
例えば、会社を7月15日に設立した場合で、「7月は半分過ぎたから、この月は役員報酬は半分の20万円にしよう。」として、次月から定額で40万円にしたとすると、「定期同額ではない」と見なされる
「取締役部長」のように、使用人兼務役員にすると、その者に従業員として支払う賞与は損金にすることができます。従業員に対する支払いはほとんど全てが経費となるためです。
もちろん使用人兼務役員とするには、
その者が専務取締役や常務取締役ではなく、平の取締役であること
使用人(部長や課長)としての職務を実際に遂行していること
などの条件があります。また、当たり前のことですが、使用人兼務役員に対して支払う賞与は、ほかの従業員と同じ日に支払いが行われ、その額が従業員として妥当な額である必要があります。
役員報酬などの給与が増えれば増えるほど、会社も個人も社会保険料の負担が大幅に増えてしまいます。
以下の4つの場合には給役員報酬の減額が認められています。
業績や財務が悪化して、株主との関係上、役員としての経営責任を取るために役員報酬を減額せざるを得ない場合
取引銀行との借入金返済の予定協議において、役員報酬を減額せざるを得ない場合
業績や財務状況の悪化で、取引先などの利害関係者からの信用を維持する必要があり、役員報酬を減額して経営状況の改善を図るという計画が盛り込まれた場合
特定の役員の不祥事により会社秩序を維持するため、あるいは会社の社会的評価への悪影響をさけるため、一時的にやむを得ず行われたものであり、その処分内容が社会通念上相当のものである場合
期中の役員報酬の増額が認められる場合とは、例えば、非常勤役員が常勤役員になったり、平の取締役が専務取締役になった場合など、一般的に見て仕事の責任が増えるので、その分、報酬が上がっても妥当とみなされる場合です。もちろん、このような理由があって、報酬を増額する場合も、
定款の役員報酬総額の支給限度内であること
臨時株主総会の決議があること(議事録が必要)
報酬額が「不相当に高額」な額ではないこと
といった条件を満たしておく必要があります
※定款で役員報酬の額を決めている場合は、定款の変更も必要となります。
期中に役員報酬を変更した場合、株主総会や取締役会でその決議があった日の次の支給からの変更となります。期首にさかのぼって適用することはできませんので注意しましょう。もし、期首にさかのぼって適用しようとすると、後になって税務調査の時などに経費としてみなされず(=損金不算入)、追加で法人税を支払わなければいけなくなります。
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